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東京の宿 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 東京の宿
製作国
上映時間80分
劇場公開日 1935-11-21
ジャンルドラマ,サイレント,モノクロ映画
レビュー情報
《ネタバレ》 たぶん小津作品で一番貧窮した人たちの話。そのせいか屋外シーンの比率の高さでも、一番じゃないか。そして犯罪が描かれた最後の作品だろう。『東京暮色』で警察は出るけど。子どものシーンはやっぱりうまいなあ。帽子買っちゃうとこ。思わず買ってしまった帽子が重荷になっていく感じ。父のとこに戻るときは弟にかぶせてんの。「ちゃん怒るぞ」と言いながら兄弟が歩いていく感じ。ふっと振り返ったのをきっかけに、ワーッと走り出していく。あるいは風呂敷包みを互いの責任にして道に置き捨ててきちゃうとこ。意地の張り合い。あそこらへんの子どもの心理はなかなか描けないもんですよ。ぺこぺこしてる親に「あんな守衛殴っちゃえばいいんだよ」と子どもは言う。『生れてはみたけれど』の視線。岡田嘉子は突然画面を横切って登場するんだな。けっきょく喜八は人のいいおっちょこちょいなわけで、女に「落ちぶれてはいけない」と諭しつつ自分が盗みに行ってしまう(ほとんど寅だけど、寅は犯罪にまでは踏み切れない)。『出来ごころ』的な“いいかっこしい”の場面もあり、その裏には、かあやんへの甘えがある。ここらへんの関係の作り方がうまい。『自転車泥棒』より10年以上も前の作品なわけだ。
なんのかんのさん [映画館(邦画)] 8点(2010-04-25 11:59:28)
その他情報
作品のレビュー数 9件
作品の平均点 6.44点
作品の点数分布
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6444.44%
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作品の標準偏差 0.83
このレビューの偏差値 72.50
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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