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内田裕也の魅力のひとつに、声を張り上げると上ずっちゃって軽くなり、ドスが効かなくなる、ってところがある。悪役専門だったら致命的な欠点なはずなんだけど、この人の場合、それを独特の滑稽味として持ち味にしてしまった。彼自身も意識してるんだと思う。絶対に普通の人じゃないという目つき・顔つきと、おどおどした感じを含む卑小な声とのアンバランスによるおかしみ、それがいつも気を張って生きている現代人にとって、けっこう普遍的な共感を呼ぶことになったわけだ。ラストの強盗シーンで、そのアンバランスは十分活用された。話は、しだいに借金地獄になってくとこにリアリティ。競艇で一発で決めてしまいたいと思う心理なんか、分かるもんなあ。十階へ階段を使って常に上っていくのがタイトルの意味。
【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 6点(2011-03-26 09:57:36)
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