| 作品情報
レビュー情報
《ネタバレ》 一番良かったのは、カマタキのとこで歌手たちが歌声を競い合うくだり。顔顔顔。フェリーニ健在なり。狙いは面白いがあんまり成功してなかったのは、食堂での鶏催眠術。もっと盛り上がってもいいのは、ジプシーたちの踊りシーン。一瞬の美しさで言えば、心霊術に登場する歌手。上流人士の世界に下の世界が土足で踏み込んでくる、いうタッチは、どちらかというとヴィスコンティのお得意なのだが。ああそうなの、本作はヴィスコンティ的「滅び」が前面に出てくる。フェリーニは「衰え」は好んで描いたが、こういう「滅び」とはいつもちょっと軸をずらしていたように思う。ま、どちらも「懐かしさ」という陰翳を引きずってはいるんだけど。合唱とともに沈んでいくあたりはやはり圧巻。滑り出すピアノやテーブル、廊下に漂い出すトランクになぜか蝶が二匹。最後の映写をしている心酔者、あれは余計だったんじゃないか。すぐボートで大西洋を漂うサイにつなけてよ良かったんじゃないかな。
【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 7点(2011-03-17 10:17:44)
その他情報
|
© 1997 JTNEWS |