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三重の苛烈さがある。風土が苛烈。体制が苛烈。そして血族の掟が苛烈。この血族の掟は風土の苛烈さから来ているんで、よそ者が簡単に「封建的だ」と非難することは出来なく、それだけに内部の人間が告発する声は、いっそう真実が籠もる。映画の焦点もこの掟の苛烈さにあったと思われ、それを乗り越えようという意思がもう祈りになっていて、この息苦しさのなかに清澄さも感じた。義兄を見殺しにした男のエピソード、列車のシーンが素晴らしい。血族の掟の一方に夫婦のやむにやまれぬ愛があり、掟渦巻く世界で小さな個室のみが自由になる。単刀直入にほとんど無機的に訪れる決着、それがかえって夫婦の愛を昇華していた。ゲリラの死体検分のときほんとに蝿がたかってたのは、なんか臭うものを使ったのか。あと焼けた針金での虫歯の治療も、これまた苛烈。
【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 8点(2013-05-14 09:49:51)
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