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室内も多くは自然光での撮影、時には顔も見えないような暗さが停滞感につながっている。ナレーションに頼らざるを得ないところに、この原作を映画化する無理がちょっとあった。オルガの心の動きなんかもう少し丁寧にやってもらいたかったような。ま題名が『~の生涯より』となっているところに逃げが用意されてるんだけど。いい場面は、岩風呂みたいなところで述懐するあたり。またオルガの裁き、「あなたは自分の役割りを楽しんでらっしゃるんだわ」、しかもそれをすぐに認めて自責するところが哀れ。いつも「俺なんか」と考えてしまう性癖なの。何事にも自分は「ふさわしくない」と思ってしまう(あ、今思ったんだけど、これって股旅ものの主人公のタイプじゃない?)。それだけにラストのほうで自転車に手を貸していく姿が、妙に胸に迫ってしまうのだ。
【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 7点(2010-01-06 11:57:55)
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