Menu
 > 作品
 > ナ行
 > 流れる
 > なんのかんのさんのレビュー
流れる のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 流れる
製作国
上映時間117分
劇場公開日 1956-11-20
ジャンルドラマ,モノクロ映画,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 ヨーロッパとはまったく違う没落の様式とでも申しましょうか。女性的なのよね。映画としても女優展覧会のおもむき。でもやっぱ杉村が光る。電話で三味線の手を習うとことか、「芸者稼業はいいねえ」と言って、ジャジャンガジャンと岡田茉莉子と踊って吐きそうになったりするとことか、いい。あそこでふっと泣いた感じを出したりしちゃいけないのよね。あくまで生理的な吐き気だから、かえって無惨なの。田中はじっとしている役で、山田んとこに伺いに来て返事がないので立ちかけて、なんてあたりがいいね。山田はこういうのやらせると間違いがないし。元の旦那と会えなかったとこや、あの十万は手切れ金のつもりだったのよ、と言われるとこなど。シッカリ女のちょっと弱いとこをうまく突いてくれる。栗島は貫禄だけで見せているようでいて、面倒見のいいような・後半あっさり見捨てていくようなとこを嫌味なくやってのけるのだから、やはり大したものなのだろう。と、女優展覧会でありながら、ぜんぜん「ケンランと」ではなく、じっと沈澱してくるような手応えが成瀬の味わい。そこに、ヴィスコンティなんかとはまた全然違った、しかし日本ならではの没落の歌が流れている。
なんのかんのさん [映画館(邦画)] 8点(2011-01-11 10:12:57)
その他情報
作品のレビュー数 23件
作品の平均点 7.78点
作品の点数分布
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
400.00%
514.35%
6521.74%
728.70%
8730.43%
9626.09%
1028.70%
作品の標準偏差 1.38
このレビューの偏差値 51.14
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
流れるのレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS