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紅夢 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 紅夢
製作国香,中,台湾
上映時間125分
劇場公開日 1992-04-11
ジャンルドラマ,ラブストーリー,小説の映画化
レビュー情報
普通シンメトリーの構図ってのは、ここぞというところでバンと置くと効くので、あんまり使いすぎちゃいけないものなんだけど、この作品はそれがテーマだからね。シンメトリーの安定した重苦しさ、人を発狂させるほどの、整然とした堅苦しさ。シンメトリーの息苦しさをここまで徹底して追求した映画も珍しい。あとは音の響き。作者によって選択された音しか響かない。それも幽界に響くような雰囲気で、嫉妬によって残響を与えられ心にエコーを掛けられているというか、灯篭を消す竹吹きのブボッという音も腹に響く。遠くから聞こえる第三夫人の歌声、若主人の笛。きっちりした画面に選ばれた音のみがキラッキラッと閃く感じが実にスリリング。昔の中国映画だったら、もっと目覚めたヒロインが反抗する設定になったんだろうが、もうそうはならない、プロレタリアートの部屋にまでレッドランタンは侵入してしまっているのだ。画面に現われているのは「八方ふさがり」の嫉妬渦巻く世界なのだけど、ネチネチという感じはあまりなく、荒涼の風が「八方吹き抜け」ていたのではないか。白・黒・赤の物狂いの世界が魅力的。
なんのかんのさん [映画館(字幕)] 8点(2012-10-13 09:56:42)
その他情報
作品のレビュー数 37件
作品の平均点 8.30点
作品の点数分布
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6410.81%
7616.22%
81027.03%
9924.32%
10821.62%
作品の標準偏差 1.27
このレビューの偏差値 48.16
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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