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哀しみのトリスターナ のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 哀しみのトリスターナ
製作国伊,仏,スペイン
上映時間99分
ジャンルドラマ,ラブストーリー,ロマンス,小説の映画化
レビュー情報
鐘の鳴り響くなか、おしの少年たちのサッカー(脚の競技)と、普通なような異常なようなブニュエルの世界に入っていく。フェルナンド・レイが、特別卑しい人間なのではないが(世間では立派な人間で通ってる)、内側を知る人間(たとえば姉)にはだめなわけ。かすり傷で勝負がつく決闘には激怒し、少年のコソドロをわざと逃がしてやったり、「偽善者」という分かりやすい分類では捉え切れない男。「茶番よりは悲劇がいい」と言ってて「悲劇的な茶番」になってしまう最期。ヒロインは自分で決めた散歩道に入ったとき、実質的に脚を奪われていく道にも入っていったってことなんでしょうな。廊下で繰り返し松葉杖を響かせる「散歩」に凝縮していく。そしてラスト、突然時間の流れが一方向から解放されたように、ファーストシーンへ向けて逆流が起こる。最初はヒロインが回想してるフラッシュバックかと、ブニュエルらしからぬことやってるな、と思ってると、それが止まらず、なんだなんだ、と思ってるとFINに行き着く。これ一回きりしか使えないアイデアでしょうが、単なる趣向じゃありません。あのときああしてれば(あのとき殺してれば)という後悔がヒロインの胸に押し寄せてきたところと見たが、どうだろう。それぞれの瞬間に、もう一方の道を閉ざしてきたわけで、しかし彼女は「自ら選ぶ誇り」も自覚してきた女であって、そういったもろもろ「これでいいのよ」という気持ちも感じられ感動です。私はこのように生きてきたという確認。
なんのかんのさん [映画館(字幕)] 8点(2013-07-16 10:02:41)
その他情報
作品のレビュー数 13件
作品の平均点 7.08点
作品の点数分布
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作品の標準偏差 1.44
このレビューの偏差値 54.46
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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