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ラヴィ・ド・ボエーム のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ラヴィ・ド・ボエーム
製作国フィンランド
上映時間100分
ジャンルドラマ,モノクロ映画,戯曲(舞台劇)の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 この人の映画では、ついてない人がやたら出てくる。その自分の「ついてなさ」にうんざりしているのに、「ついてなさ」を過剰にどんどん受け入れていってしまう。その勢いに奇妙な爽快感すら感じられる。少なくとも彼らは、同情してほしいような素振りを見せない。まるでそれらの不幸が、自分が自由であることの証拠とでも思っているのか、人出に渡るのを惜しむかのように手あたりしだい受け入れていく。で本作、「若くて貧しい」芸術家のメロドラマが、カウリスマキの手にかかると、「もう若くなくてしかも貧しい」に変換されてしまうのだ。芸術家として名を成せるかどうかもう自信も挫けてきたころの、ふっと華やいだ一場面を掬い上げたよう。ピクニックのシーンがいい。これを若い連中がやってたらハナモチならない気分になったかも知れない。それをもっさりした中年男たちと、反メロドラマ的としか言えないミミというキャスティングでやられると、なんとも切なくていいのである。繰り返し現われる「花」のモチーフも彼らが冴えないからこそ生きてくる。まっとうな連中なら仕事をしているような時間に、中年の男女が花を摘んだりしていることが、ユーモラスであると同時に、どうしようもない切実さも伴って観客の前に展開するのだ。これを観ていると「貧乏なんて若者には贅沢すぎる」とつい思ってしまうのだ。
なんのかんのさん [映画館(字幕)] 7点(2010-01-31 12:12:08)
その他情報
作品のレビュー数 7件
作品の平均点 7.29点
作品の点数分布
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作品の標準偏差 1.28
このレビューの偏差値 48.25
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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