Menu
 > 作品
 > ネ行
 > 眠る男
 > なんのかんのさんのレビュー
眠る男 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 眠る男
製作国
上映時間103分
劇場公開日 1996-02-03
ジャンルドラマ
レビュー情報
今までの“原作もの”というフタがはずされて、ワーッとイメージが大空の大気のなかへ拡散した感じ。「拡大」ならもっとよかったんだけど、「拡散」。不意に飛び立つ鳥、眠る男の鼻から出てくる虫、魂呼びの音がこだまし、はずされた屋根瓦を越えて、やはり大空へ広がっていく。天井がなく拡散していく感覚に通じていく。常に湯気が沸き立っている感じにも通じ、その中心で眠り続ける男、と男のほうは何となく理解できるんだけど、「南の女」のほうはちょっと分からなかった。一種の桃源郷さがしなのか。あと言葉がときどき固くなるのが気になる。メナムの語の講釈や赤ん坊が進化をなぞってる、なんてとこがややシナリオとしてこなれ不足のような。能が出てくるのも引っかかったが、青空の下ってのが薪能よりはいい、やはり天井がない感じで。ここで田村高広がまた講釈をしてしまうんだ。全体、音が良かった。倒木シーンも映像よりひび割れていく音の予感のほうが美しかった。決してこの地が桃源郷なのではないが、そこへ向かって開かれている、って話なのかな。個人的には、この監督は原作でフタをした映画のほうが圧力が高まっていいんじゃないかと思うけど、こういう自分のイメージを十分に拡散したものを作りたかったという気持ちも大事にしたい。
なんのかんのさん [映画館(邦画)] 7点(2009-10-12 11:59:08)
その他情報
作品のレビュー数 8件
作品の平均点 4.62点
作品の点数分布
000.00%
1225.00%
200.00%
300.00%
4112.50%
5112.50%
6225.00%
7225.00%
800.00%
900.00%
1000.00%
作品の標準偏差 2.29
このレビューの偏差値 54.54
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
眠る男のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS