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サウンド・オブ・ミュージック のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 サウンド・オブ・ミュージック
製作国
上映時間175分
劇場公開日 1965-06-26
ジャンルドラマ,戦争もの,ミュージカル,ファミリー,実話もの,音楽もの,小説の映画化,戯曲(舞台劇)の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 初めて観たのは何度目かのリバイバルのころ、たぶん中学生のときだ。ストーリーについての予備知識はなかった。この映画で中学生の私は「政治」というものを知った気がする。修道院に隠れたファミリーを長女の恋人が追及する場で、世の中ではこういうことが起こるのか、と胸を締め付けられた。彼の苦悶がリアルに伝わってきた。それはどうやら「政治」に関係しているらしい。そしてこの映画そのものが「政治の苛酷さ」に収斂しているらしい、と世の中を知らぬ中学生は眼を啓かれた。その後も何度か本作を観、演出やトラップ大佐のキャラクターなどいささか大ざっぱだとは思うものの、終盤ナチの旗が翻ってからの緊張、音楽会へ向けての集中は素晴らしい。邸内でプライベートに歌われた歌が、人前では歌わせないという大佐を交えて反復され、さらに会衆にも伝わっていく。それもナチの強制によって設定されていく皮肉。歌詞は同じでも歌意が読み替えられていく趣向。暗い修道院内でマザーによって歌われた「すべての山に登れ」(壁にだけ光が山形に残っている)も、歌意を読み替えラストの現実の山の光のなかに反復される。歌が繰り返され、しかし歌意がプライベートな場から広がり深まっていく、そこに感動させられる。余談になるが、「ドレミの歌」の日本語訳“ど~んなときにも~列を組んで~”っていうの、あれ反ファシズム映画の歌というより、ファシストの心得を歌ってると聞こえないか。何もペギー葉山がファシストだってことじゃなく、この国の風土がそういう団体主義的な傾向に親和性を持っていて、日本語にドレミを当てはめようとするとこうなるんだろう。近くの小学校の運動会などでよく耳にするが、いつ聞いても気持ち悪い。
なんのかんのさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-11-29 09:38:47)(良:1票)
その他情報
作品のレビュー数 398件
作品の平均点 8.52点
作品の点数分布
000.00%
110.25%
220.50%
330.75%
461.51%
5123.02%
6174.27%
74611.56%
86917.34%
910426.13%
1013834.67%
作品の標準偏差 1.63
このレビューの偏差値 48.06
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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