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とりわけ前半がいい。州崎パラダイスのあたりの美術(木村威夫)なんか丁寧で。木場での兄さん(井川比佐志)の最後の表情とか。奥のほうにピントが合ったまま、主人公がこっちに来るってのもあったね、浅草のシーンだったか。カモメを見る少年のシーンとか。メロドラマってのは、こうそれにふさわしい情景の中に、美男美女のアップがポンポンと入らないといけないんだ。リアリティを追及した演技じゃなくていいんです。美男美女であることを自覚している立ち居振る舞いが求められている。栗原小巻って、ちょっと下あごを突き出すと、ちあきなおみなのね。ときどきひどくドンくさく見えるカットがあるんだけど、男(加藤剛)はこういうところがいとおしいんだろうなあ、と思わされちゃうのがメロドラマの魔力。
【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 7点(2011-01-14 10:29:21)
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