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《ネタバレ》 全ての悲しみはあのライフルから始まったと言うが、実際そんなことは重要なことではない。事件の大小はあるものの、ここで出てくる悲しみとは映画の中のものだけでは無く、その国では日常茶飯事なことである。ではこの映画の魅力は何か?それは人種間の環境の違いや生き方の違いを描いている所だと自分は思った。耳と口が使えずのけ者にされ愛に飢えている少女。子供の死で夫婦の絆が薄れ始め旅に出たアメリカ人夫婦。不法労働者としてアメリカで働いている女。みんな初めから悩みを抱えていた人達であり、そしてライフルが齎したのは決して不幸だけでは無い。アメリカ人の夫婦は仲を取り戻し現地の人々の優しさを感じ、日本の少女は結果として父親と和解している。結局は国や文化や暮らし、不自由な体であっても、同じ人間であり同じ愛を持って生きている生物に変わりないと言うことが言いたいわけだ。もちろん違法労働者の女や銃撃事件を起こした少年は不幸になったわけだが、どこかの国で死者が出てもどこかの国では産声が聞こえるわけで、それも人間と言う生物の宿命だと言うこと。この映画は複雑な構成ながら、各地の人種の日常を淡々と描いたに過ぎない単純な映画であり、それでいて人間と言う現実を見直す機会を与えた作品だと自分は感じた。愚かなことを積み重ねていく人類だが、未来を明かるく照らすことも不可能ではないと、この映画に励まされた気もした。
【taka-104】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2008-02-25 23:59:10)
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