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実話モノというのは、最初に「これは実話を基にしています」と宣言するところがズルい。観る者の頭の片隅にとどめておくことによって、時々映画の時間から離れてこんなことあったんだなあ…と無意識のうちに考えさせる。
本作は細かい説明的な描写は極力避けている感がある。印象的なシーンの断片を連続的に見せていく。が、観る者のそんな意識が行間を埋めてくれるのを見越してあえてそういう手法をとっているんだろう。で、それは成功していると思う。原作は読んでいないけど、内容的には全10話ぐらいのTVシリーズのダイジェストを見させられているようなスピーディな展開だった。でもだからといって筋書きを表面的になぞった感もなく、登場人物の造形も薄っぺらくなく、ひとつひとつのシーンの迫力に圧倒される。 「デパーテッド」のようなストーリーテリングの面白さで観る映画ではなく、いわゆるギャング映画でもなかった。どちらかというとドキュメンタリーに近いような、人物の息づかい、リアリティを感じる、そんな映画だった。感傷に浸らないラストシーンにそれがよく表れていたと思う。 【とと】さん [映画館(字幕)] 8点(2008-02-05 01:38:46)
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