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晩菊 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 晩菊
製作国
上映時間102分
劇場公開日 1954-06-15
ジャンルドラマ,モノクロ映画,小説の映画化
レビュー情報
「晩菊」とは、年頃をすぎた女性を意味している。通常は脇役を務める杉村春子が主演を演じた、成瀬巳喜男作品の中でも異端の位置を占める作品。それが功を奏し、いぶし銀的魅力を存分に発揮しており、成瀬監督の代表作『浮雲』と表裏対を成す出来栄えとなっている。成瀬監督による隠れた名作である。

さて、成瀬巳喜男監督作品はそれなりに観てきたが、本作は今まで観た成瀬作品の中でもベストであった。


元芸者達の行く末、まさしく“晩菊”を飾り気無く辛辣に、そしてユーモアに描いており見事。

杉村春子をはじめ、普段は脇役を演じることの多い女優達が主たる役を演じている。
その為、とても地味な仕上がりなのだが、その地味さを逆手にとっており、そこが本作の傑作たる所以となっている。

成瀬監督の傑出した風景描写は、本作でも健在であり、その点も観るに値する。

それにしても、細川ちか子という女優さんは美しいなぁ。
なんというか、“枯れた美しさ”が飛びぬけて良いのだ。

そしてラストシーン。
望月優子が道行く若い女性の歩き方を真似て、腰をくねくねさせて歩くシーン。
これには、思わず笑みがこぼれてしまった。

本作には、こういった思わず笑みをこぼさずには居られないシーンが随所に散りばめられている。
シビアなテーマとは裏腹に、ユーモアあふれるこれらのシーンが、コントラストをはっきり浮かび上がらせ、深みのある面白さを発揮している。
それが何とも言えず見事だった。
にじばぶさん [ビデオ(邦画)] 9点(2007-11-28 16:08:13)
その他情報
作品のレビュー数 9件
作品の平均点 7.33点
作品の点数分布
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作品の標準偏差 1.41
このレビューの偏差値 58.33
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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