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猫と庄造と二人のをんな のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 猫と庄造と二人のをんな
製作国
上映時間136分
劇場公開日 1956-10-09
ジャンルドラマ,コメディ,モノクロ映画,動物もの,ロマンス,小説の映画化
レビュー情報
本作を選んだ理由、それはもちろん大好きな香川京子目的。
しかもハスッパで不良な役を珍しく演じていると評判の作品なので、ずっとレンタルするのを楽しみにしていた。
そして監督は豊田四郎。
恥ずかしながら、初見の監督だ。
なので、こちらも楽しみであった。
いつもながら、初見の監督の作品を観る瞬間というのはワクワクする。

主演は40代の頃の森繁久彌。
雰囲気としては、渥美清のキャラクターに間寛平のシャベリを混ぜ合わせたノリ。
(例えが適切でないと思いますが、分かりやすいかと思い、敢えてこの表現でいかせて頂きました。)

その母親役に浪花千栄子。
何度か観たことのある女優だが、相変わらず小気味がよくて切れ味のある凄い演技をする女優だ。
あっぱれ。

そしてその妻役(先妻)に山田五十鈴。
これがまた陰険な役を自然な感じで演じており、凄いの一言。
口元をひきつらせつつ、嫌味を言うところなんぞ、気持ち悪いくらいに自然に演じている。

そしてそして、森繁の後妻役に香川京子。
いやー、本作を観て良かったぁー!
終始、下着か水着です。
その露出の多い肌を、森繁が撫で回す。
うーん、いいねー、いいなー。
つい先日、75歳になる彼女のトークショーに行ってきたばかり。
そんな彼女の若い頃の作品を観るにつけ、古い作品を観た時にしか感じることのできない、“時間の経過が織り成す不思議な感覚”を堪能することができた。

本作は、終始喜劇的なノリで進んでいくのだが、最後はとても恐ろしい顛末へと向かっていく。
それでも表面的には喜劇的体裁。
だけど、それだけに余計に怖い。
感情むきだし欲望むきだし意地むきだしの女性3人を前にして、森繁はこうつぶやく。

「やっぱり畜生(猫)が一番だよ」

と。

人間の愚かさと狡猾さを、猫と対比しつつ、喜劇的な手法で表現してみせた本作。
豊田四郎監督の凄さを一発で体感できた。
しかし最後は怖かったなー・・・
にじばぶさん [ビデオ(邦画)] 8点(2007-09-01 00:19:03)(良:1票)
その他情報
作品のレビュー数 4件
作品の平均点 8.00点
作品の点数分布
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作品の標準偏差 0.71
このレビューの偏差値 50.00
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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