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「女の小箱」より 夫が見た のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 「女の小箱」より 夫が見た
製作国
上映時間92分
劇場公開日 1964-02-15
ジャンルドラマ,サスペンス,ラブストーリー,ミステリー,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 田宮二郎はやっぱり怖い。
あのコワモテに、あの人を寄せ付けない雰囲気、そしてあの体格。
全てが怖い。
そのキャラクターが見事に本作のキャラクターとマッチしている。
まさにハマリ役。

田宮二郎演ずる男は、金のためなら何でもしてきた男。
まさに出世欲と金欲のかたまりの様な男だ。
ある日、その男は大会社をのっとるために、若尾文子演ずる女に計算づくで近づいていく。
最初は若尾文子を騙すために近づいたのだが、すぐにその魔性の女の虜になってしまう。
「大会社をのっとる」という本来の目的は達成したものの、若尾文子に「だんなと別れて俺と結婚してくれ」と迫る田宮二郎。
それに対する若尾文子の切り返しが凄い!
「私と結婚したいなら、大会社をのっとるあなたの夢を捨てて。私をとるの?それとも会社をとるの?二つに一つ。どっちをとるの?さぁ、どっちをとるの?私?それとも会社??」
これだ。
この迫力。
まさに“にじりよる”若尾文子の魔性の女の迫力炸裂!

男にはメッポウ強く、押しの強さもハンパじゃないコワモテ田宮二郎も、これには完敗。
最初は多少反抗してみたものの、「わかりました。あなたをとります。会社をのっとる夢は捨てましょう。」とアッサリ男の夢を捨ててしまった。

どんな怖い男より、魔性の女の方が怖いし、力も強い。
あの田宮二郎の筋肉質な体も、女の柔肌の前には力のない物体と化してしまうのだ。

あぁ、何たる女の怖さよ。
そして、純情な愛の強さよ。
田宮二郎が男の夢を捨てたワケは、若尾文子の性的な魅力によるところはもちろんだが、田宮二郎が若尾文子に対して持ってしまった「純粋な愛」もその一因だ。

「愛した女の為なら何でもできる」
この、愛の力の凄さが、見事に表現された作品だ。

秀作揃いの増村保造作品の中でも、本作は上位にくる傑作であろう。
にじばぶさん [CS・衛星(邦画)] 8点(2008-07-11 02:20:08)
その他情報
作品のレビュー数 9件
作品の平均点 7.44点
作品の点数分布
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作品の標準偏差 1.34
このレビューの偏差値 53.08
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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