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1930年代の邦画としては素晴らしい出来。
何より、セリフの一つ一つに含蓄があるのが良い。 例えば、「現代において幸せでいるためには、他人の不幸を見ないようにしなければならない。」なんて、実に的を射ている。 あまりに痛烈すぎて、こんなことに同意してしまうと、周りから冷たいと思われるかもしれないが、生きていく為には必要な割り切りでもあり、偽善者ぶって否定したところでそれは嘘になる。 自分がいかに幸せな状態にあったとしても、他の人間は幸せとは限らないわけで、全員が全員幸せなんことは実社会であり得ないのだ。 それを見事に言い表したセリフだが、こういった歯に衣着せぬ痛烈な風刺的セリフが、本作では沢山飛び交うのである。 1時間程度の短い作品であるが、処世術の様な、実にためになる印象的なセリフがそこかしこにあり、何度も観れば人生勉強になるかもしれない。 そういう意味で、本作は実用的な作品であり、また、純愛とは何かをテーマにした恋愛劇でもある。 ところで、助監督に本多猪四郎や黒澤明の名があるのが興味深い。 【にじばぶ】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2008-07-13 22:50:19)
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