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《ネタバレ》 飲んだくれオヤジの戯言を延々と聞かされている感覚。
江分利満氏の酒に付き合わされている周囲の登場人物に完全に同化して、後半部分を体感した。 いやぁ、酔っ払いの相手は辛い。 でも、これぞサラリーマン。 戦後サラリーマン的な生活が当たり前になり、それは現代も変わらない。 この映画で描かれているような悲喜こもごもは、今も決して変わってはいない。 戦争中でない限り、この映画で語られていることは普遍的なものである。 人は、特に男は苦しい生活の中から、たまに訪れるほんの些細な幸せを感じるために生きている。 いや、幸せがいつかやってくると信じて、生き続けている。 人生は苦しいことの連続であって、躍り上がるような幸せな瞬間なんてそう沢山あるわけじゃあない。 そんなサラリーマンの悲哀が独特の語り口で展開される。 数ある日本映画の中でも稀有な作品。 何度も観たいとは思わないが、一度観たら忘れようのない作品だ。 小林桂樹の、地味でいながら入魂凄まじいその演技に拍手を送りたい。 【にじばぶ】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2017-05-14 02:35:21)
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