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アッカトーネ のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 アッカトーネ
製作国
上映時間120分
劇場公開日 2004-05-15
ジャンルドラマ,モノクロ映画
レビュー情報
《ネタバレ》 イタリアの名匠、ピエル・パオロ・パゾリーニの監督デビュー作。
主演は、パゾリーニ映画の“常連”であるフランコ・チッティ。
この人の顔は何度も見たことがあったけど、顔と名前をしっかり憶えたのは今回が初めて。
他の作品でもかなりの個性を発揮していた彼だが、本作においては主役ということもあって、存在感ありまくりだ。

舞台はローマのスラム街。
主人公であるアッカトーネは職にも就かず、プラプラと日々暮している。
彼の経済的根拠は“ヒモ”。
要するに、自分は毎日遊び呆け、女性に食わせてもらっているのだ。
なんという羨ましい暮らしぶりだろう。
「仕事なんて堕落した人間のすることだ。」
と、彼は劇中でのたまう。
なかなか哲学的なプータローだ。
自分も多分にプータロー気質な部分があるからして、こういった「怠け者の若者」を題材にした作品は、それだけで自分のツボにハマってしまう。

袖まくりをしながら、ガタイのいい(体格のいい)彼は街をブラブラとしている。
ロクに働いてもいないのに、無意味に体格がよろしい。
とあるきっかけで肉体労働を一日だけすることになるが、すぐにバテテしまう。
あのガタイは一体、何の意味が!
見かけ倒しかよ、おい!
そんなとこも自分に似てて楽しかったりする。

そんな彼もついには奥さんに見捨てられ、家を追い出されてしまう。
それでも彼は働かない。
ガタイを活かさない。
しかしながら、さすがにそんな彼でも飯なしでは生きていけない。
「お腹が空くのは、食べることが習慣になってしまった証拠だ。」
と、またしても哲学的なことをのたまうが、要するに腹ペコな彼。
ついには、子供をあやすフリをして、子供の首にかかったネックレスを盗んでしまう。
そうして堕落の道をひたすら突き進んでいくのだが・・・

後期の彼の作品群に比べると、過激な描写はほとんど無い本作。
それだけに、パゾリーニの描き出す独特の映像世界にどっぷりと浸ることができた。
パゾリーニ映画のモノクロ世界は、見ていてとても心地良くなる。
彼の作品群の中で、それを最も強く感じさせたのは、この『アッカトーネ』という作品だった。

巷のレビューサイト等で、非常に評判が良かった為、見ることを決めた本作。
どうやらその「口コミ評判」に間違いはなかった様だ。
にじばぶさん [ビデオ(字幕)] 8点(2007-09-01 21:17:59)
その他情報
作品のレビュー数 5件
作品の平均点 7.40点
作品の点数分布
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作品の標準偏差 0.49
このレビューの偏差値 75.00
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
アッカトーネのレビュー一覧を見る


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