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《ネタバレ》 フランソワ・トリュフォーの自伝的シリーズである“アントワーヌ・ドワネルもの”の第5作目にして最終作。
『大人は判ってくれない』『二十歳の恋/アントワーヌとコレット』『夜霧の恋人たち』『家庭』と順々に観てきた私にとって、本シリーズの最終作ということでとても寂しい気持ちになった。 と同時に、映画が始まった瞬間、自然と笑みがこぼれた。 “また会えた”という喜びからである。 トリュフォー作品は相当数観たが、特別自分に合うという感じはしなかった。 しかし、この監督自伝シリーズ“ドワネルもの”は全く別。 特にドワネルを演じる“ヌーヴェル・ヴァーグの代名詞”的俳優、ジャン=ピエール・レオの魅力が遺憾なく発揮されていて素晴らしい。 ジャン・ユスターシュ監督の代表作『ママと娼婦』でも同じ様なキャラだったが、この“ドワネルもの”でも終始だらしのない愛すべき男を演じている。 しかし女性を口説くのはめっぽう上手で、だらしのない男ドワネルも、私にとっては憧れの存在だったりもするのだ。 本作『逃げ去る恋』では、3年連れ添った女性と協議離婚した後を描いているのだが、早くもサビーヌというキュートな女性と付き合っている。 このサビーヌを演じたのが、ドロテーという女優さん。 とってもキュートで、いかにもフランス人女性といった感じ。 そのキュートな声と笑顔に見事に打ちのめされてしまった私。 早速、ファンになった次第だが、残念ながら本作以外の映画には出演していない模様。 フランスではアナウンサーをしていたり、活動家であったりするらしいのだが、本作以外に映画出演がないというのは、あまりに残念だ。 本作のストーリーについて軽くふれてみる。 30半ばに差し掛かった主人公は、相変わらずのだらしなさ。 特に女性に関してだらしがない。 奥さんと別れ、若い女性と半同棲をしているというのに、この女性とも衝突ばかり。 おまけに初恋の女性とも偶然再会し、そちらにも気を奪われるという有様。 それらの女性全てに気を取られた結果、主人公はついには一人になってしまう。 まあ、当然だろう。 しかししかし、話は思いがけない結末に・・・ トリュフォーの傑作シリーズ“ドワネルもの”をまだ観たことがない人は、一日も早く鑑賞されることを強くお勧めします。 【にじばぶ】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2007-09-02 23:51:40)
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