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《ネタバレ》 BC級戦犯の勉強をしていて資料のひとつとして観ました。(資料施設で資料として閲覧しましたが、視聴環境に該当するものがないので「DVD鑑賞」としています)。戦犯の皆さんの遺書(「世紀の遺書」)も何度も読み、ガリ版の巣鴨新聞も多くの手記も読みしてきましたが、この映像はディテールが非常に正確に表現されています。例えば「死刑になった人たちは、実は生きていて北海道で使役している」などの噂が死刑囚房で広がる。アメリカの祝日の前日の早朝に処刑が行われる様子(祝日にゆっくり休めるように「済ませておく」んですよ・・)。死刑囚が処刑房におくられる時におこる「賛美歌での送り」。特に賛美歌での送りは文面ではなく実際に男性のみの涙声での「主よみもとに近づかん」を聴くと鳥肌が立つ思いです。原作と言われる本を書いたK氏は毎朝、死刑囚が読経したり、賛美歌を歌う様子に嫌悪感を露わにし噂に一喜一憂する死刑囚に対してかなり冷めた記述をしていますが
戦後直後に収監され「戦後社会」を知らぬ戦犯と、何年も逃亡を続けて「戦後を生きた」K氏との違いでしょう。この映像で描かれているのは前者の戦後を知らない戦犯で思考は戦中の軍隊生活のまま、不条理の中、処刑されるという複雑さを抱えています。 もしよければ図書館で「世紀の遺書」をお読みいただくと、彼らの苦悩を知ることができると思います。城山三郎氏ではないですが、日本の組織社会は戦犯をうんだ軍隊組織とあまり変っていません。組織のの中で損をする人・得をする人・上手く逃げる人・・あなたの周りも、あなた自身も見つめてみてはいかがでしょうか? 【グレース】さん [DVD(邦画)] 9点(2007-08-18 21:03:27)
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