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《ネタバレ》 欠点の多い映画。主人公は、期待に反して結構な自分勝手男だ。金儲けのために見世物小屋をつくって、詭弁を弄しては仲間を引き入れ、使い勝手よくあしらう。挙句の果てには、貧乏時代から支えとなっていた家族を放り出し、結局はすべてを失う形に。本来であれば、ここから自分を見つめ直し、家族の信頼を取り戻すのが見せ場なのだろう。しかし、映画の終盤は、周りに助けられてやる気を取り戻し、お金も工面してもらい、あとは妻に謝るだけという、人任せな復活劇となる。小人症やヒゲの濃い女性といった、「フリーク」と呼ばれて疎まれる人間たちの苦悩にまったく焦点が当たっていないのも、なんとも都合がいい。歌曲の良さとヒュー・ジャックマンの強引なパフォーマンスに助けられてはいるが、都合のよい上辺だけをさらっと切り取ったような、なんとも中身の乏しい作品。唯一の救いは、許されない相手への恋から自分に正直に生きることにした青年役をぴったりと演じたザック・エフロンが、きれいにラストを飾ったことだ。
【カワウソの聞耳】さん [DVD(字幕)] 4点(2019-01-21 08:57:38)
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