| 作品情報
レビュー情報
《ネタバレ》 前半は凡庸、後半は魅力大。この作品、ストーリーの主軸が結構ボケている。「Ray/レイ」のような一人の天才的ミュージシャンの人生を描くなら、この傑作たるお手本に倣ってもう少しフレディ・マーキュリーの生い立ちとその人生を深く語ることができただろう。しかし、その一方で「ジャージー・ボーイズ」で主体であった音楽グループとしての家族関係も盛り込んでいる。そのためか、前半は展開が駆け足すぎて、ドラマ映画としては物語を十分に語りきれず、焦点がボケている。しかし後半、フレディが自己の破滅と原点への回帰に至るシークエンスは魅入られる。この王道の展開こそ、クイーンの名曲に見事マッチして、現代に受けてヒットした要因なのであろう。ある時代の若者たちを熱狂させたクイーンが、現代に小さな鬱憤を抱いて映画館に出向いた観客がたちと融合して、2時間で経験したあれこれ全てがライブエイドのシーンに集約し、「昇華」する。これら全てのプロットに、映画としての魅力を感じざるを得ない。
【カワウソの聞耳】さん [映画館(字幕)] 7点(2018-12-15 23:42:44)(良:1票)
その他情報
|
© 1997 JTNEWS |