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ハンナ・アーレント のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ハンナ・アーレント
製作国独,ルクセンブルグ,仏
上映時間114分
劇場公開日 2013-10-26
ジャンルドラマ,実話もの
レビュー情報
《ネタバレ》 2014年夏、書店などでチラチラその名を見かける女性政治哲学者ハンナ・アーレント。自分も彼女についての新書を1冊買った。その読書の理解が進めばと、この映画に期待していた。観終わって、残念な気持ちがした。新書を買って、損したとも少し(ほんの少しです)思ったが、何より誠実な思索者であることができる彼女は、恩師ハイデガーの軽率な行為のために、思索の迷路に入り込んでしまい、死ぬまでさまようのである。彼女はそれでも思索をやめず、恩師との対決も辞さない。しかしかつての大思想家(?)ハイデガーは、自分のことをベラベラしゃべるだけの爺さんだった。映画の最後の彼女の講義は迫力があった。それは彼女の孤独な闘いが静かではあるが、凄まじいものであったことを伝えている。彼女は最後言う。「何が過ちなのか言えないのよ。」ここに彼女の「悪とは何か」についての出発点があり、そして最終地点でもあったのだろうと僕は思った。人間であること。それが危ういとき、思索は何とか繋ぎ止めることに一役買えること。かつての同僚たちは皆、彼女に厳しかったが、僕は彼女は立派な人間だったと思う。そしてこの孤独な闘いに挑む彼女の周りにいる、女性友だちが皆とても魅力的に思えたのが、映画的に良かった。今の日本の世相が考えることを放棄しているのは何故?そしてそんな時だからこそ、人間であるために思索が役に立つとも言っているのか・・。やはり本を買って良かったぜ、とここまで来て、やっと思えた。「人間じゃない貴方。思索なさい。じゃないと・・・」とこの映画は言ってるのかもしれない。
トントさん [DVD(字幕)] 9点(2014-08-07 04:52:06)
その他情報
作品のレビュー数 18件
作品の平均点 7.06点
作品の点数分布
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作品の標準偏差 1.08
このレビューの偏差値 66.71
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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