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《ネタバレ》 何なんだこの映画は! 漫画のようなこの荒唐無稽さは(本来の意味での)確信犯。しかしそれを現実に引き寄せる強烈な身体性。紙芝居のような質感のストーリーに燦然と屹立するのは身体だ。勃起は言うまでもなく、絡み合うシーンや押さえつけるシーン、殴るシーン殴られるシーンなど、そのどれをとっても、身体などというには物足りない、強烈なカラダそのものとでもいうべき力が、ファンタジーを現実に引き寄せている。前半は小ネタを挟みながら基本的な人間関係を形作り、後半に完膚無きにまで破壊し尽くす。その果てに残ったものは、愛だ。何もかも剥ぎ取られた人間は、愛そのものとなる。生半可な破壊ではこれは表現できない。下手な打算や論理や感情に隠されることなく、愛を丸裸にすることこそが園監督の狙いだったに違いない。愛を思い出すものは勃起という身体性であり、脳味噌の中で考えられたことなんかではない。愛は愛自体であり、考え出すような愛は愛ではない。無意識に反応する身体によって、自らからほとばしる愛に気付くのだ。自分がむきだしの愛そのものだということに気付くのだ。そんな愛を肯定しきった果てに感動のラストがある。大傑作。
【Balrog】さん [DVD(邦画)] 10点(2010-10-23 02:02:08)
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