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ジュラシック・ワールド のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ジュラシック・ワールド
製作国米,中
上映時間124分
劇場公開日 2015-08-05
ジャンルSF,アドベンチャー,シリーズもの,パニックもの,小説の映画化,モンスター映画,3D映画
レビュー情報
《ネタバレ》 リメイクか思うほど、シリーズ1作目を意識した作り。だがテーマパークを中心としたプロットは映画館と相性が良く、子供にとっても敷居が低い。到着するや否や、はやく園内を回ろうと急ぐ子供を見れば、この映画が子供たちに向けたアトラクションであることが分かる。悪くいえば一作目の焼き直しだが、新しい世代の子供たちに贈るワクワク感を否定はしない。この決断は支持したい。

一方でシンプルにまとめられたメッセージも興味深い。人間の欲求がエスカレートして止まらなくなれば、どこかに綻びが生じ、破綻を招くということ。

利益のためには、より強く、歯の多い恐竜を次々に発表せねばならず、それはまるで、シーズン毎に多機能になるスマホのような商品である。あまりにも進化した機械が、個人情報や著作権に猛威を振るうように、恐竜にコストをかけて、従業員や安全管理の質が下がったのも、人間のやり過ぎた行動に伴う結果。こんなやり方では、客のフォローもせず「だってそう言われたもん」と言い放つキャストがいるのも納得だ。

映画は「恐竜」という誇張された現実を描いているが、現実にもそんな危機は訪れている。
黒のタートルにデニムのウー博士は、「ジョブズを意識した、あの中国の実業家」のようでもあり、現代に合わせた警鐘なのでは…と訝しむのは考え過ぎかとも思うが、そんな奥深さも本作にはある。

これらは劇中で「学ばない奴らめ」という台詞でまとめられるが、これこそ久しぶりの新作に合致する最も強烈なメッセージである。

もちろん映画では深く掘り下げられないが、その必要もない。子供たちが、何か悪いことをする大人がいる、と肌で感じられる程度の描写で十分である。
それくらいのシンプルな教訓でいい。それに観ている間は、僕だって子供のように夢を見れる。子供と同じ視点でワクワクして園内を探検できる。

T-REXの堂々たる登場に、起死回生のラプターの助太刀、そしてモササウルスの一撃による極めて映画的な決着。スクランブラーとラプターの併走もカッコいい。一人の少年として、手に汗握り映画の世界に没入してしまう。
やはり恐竜にはロマンがある。
人間は変わらない生物だろうが、いい意味で変わらないものもあってほしい。動物園に恐竜がいたら…そんな子供のころの夢をスピルバーグは今も真剣に応援してくれる。
サムサッカー・サムさん [映画館(字幕)] 7点(2015-08-14 13:09:07)(良:1票)
その他情報
作品のレビュー数 114件
作品の平均点 6.12点
作品の点数分布
010.88%
100.00%
200.00%
332.63%
497.89%
52118.42%
63328.95%
72824.56%
81714.91%
921.75%
1000.00%
作品の標準偏差 1.43
このレビューの偏差値 54.31
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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