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《ネタバレ》 数ある藤沢作品の中で最も好きな『山桜』が映画化された。
野江の雰囲気がどうも田中麗奈ではないような気もする (彼女なら、ちゃきちゃきのおきゃんな町娘のイメージ)。 手塚弥一郎はというと、原作には「男にしては優しすぎる目元」とあるので 若い時の中村雅俊などぴたりだったんじゃないかと思う。 とはいえ、予想外に東山紀之はよかった。 寡黙で正義に篤く侠気のある役どころがはまっていた。 今後が非常に楽しみだ。 食事時の礼儀作法・季節感を楽しむ気持ちのゆとりの有無で、 家格あるいは人格の違いを表していたり、 大目付に出頭する手塚と米倉(この人も正義の人であった)の視線だけのやり取り、 静かに逼塞していた手塚の母堂が、野江が来るようになり扉を開け放したり、と そこかしこに隠してある旨み、みたいな物を探すのも楽しかった。 冨司純子はさすが。画面に登場するだけで暗がりに明るい光が差すかのようだった。 それも、野江が訪ねてきた時はちょっとやつれている感じであったが、 次にはふっくらしたと母性が表れていた。 全体としてよかったが、一青ようの歌は私にはちょっと合わなかった。 【バッハバッハバッハ】さん [DVD(吹替)] 8点(2009-01-14 17:53:52)(良:2票)
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