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カメラを止めるな! のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 カメラを止めるな!
製作国
上映時間96分
劇場公開日 2018-06-23
ジャンルドラマ,ホラー,コメディ,バイオレンス,ゾンビ映画
レビュー情報
《ネタバレ》 この映画をまだご覧になっていない方…予備知識はゼロが理想的かと存じます。色々驚かされるので。ゾンビ映画にそこそこ耐性があれば大丈夫です。ここまで読んだら即劇場へ!

でもとりあえず触りだけ確認してからという方…この映画はゾンビを撮る映画ですが、ゾンビ映画ではありません。ホラーを撮る映画ですが、厳密にはホラー映画ではありません。そこはご理解の程。タイトルの通り、ひたすらカメラを回し続けなければならない!がテーマです。しかし良い映画は観客を選ばず。お金を出して損は無い映画です。ここまで読んだらぜひ劇場へ!

ネタバレとか気にしないからとりあえずどんな映画か知っておこうという方…ではここから感想。核心に触れない様に気を付けますが、軽くネタバレが含まれるのでお気を付け下さい。まず、低予算であってもここまで手間暇かけているという点で感動。これは開始十数分で気付くでしょう。さらに、色々と騙されます。良い意味で。例えば開始早々、とんでもなく緊迫した場面から始まる。なんか感じ悪い。役者さんの演技もなんかイマイチ。台詞もわざとらしいし。ああ、この映画ハズレかな…イマイチなスタッフが低予算でイマイチな役者を使ったよくあるPOV映画みたいなもんかな…誰もがそう感じるでしょう。そう感じるのが正しいのです。それに監督さんがとても嫌な人に感じる。中盤でそうでなくなっても、それ以外のキャスト陣が嫌な人達に感じる。次々と起こるトラブル、迫るリミット、終始緊迫感…監督も、そして観ているこちらも疲弊。…しかしそう感じた時点でこの映画の壮大な「仕掛け」に嵌っているのです。この映画は大きく分けて3つのパートに分かれます。ゾンビ襲来、それに至るまでの経緯、そして裏で何が行われていたのか。この時間を遡る説明的な段階を経て、ついに明かされる数々のドタバタ劇。気になっていた所から大して気にならなかった所まで、何が起きていたのか次々と発覚し、終わってみれば爽快、全員を好きになっている、という不思議な映画。低予算、緊迫感、クセ者だらけ、ふと気付くと笑わされ、感動させられ、登場人物全員を好きになれる…これはユースケや香川照之が出ていた「キサラギ」に通じるものがある。しかし輪をかけて凄いのは、NGが許されない進行を必死にこなすキャスト&スタッフ、徹底的に練られた脚本、類を見ないこれらの要素が類を見ない感動をもたらしてくれる。最後のピラミッドはめっちゃ泣けた。今思い出しても泣ける。手が空いてる奴らって誰かと思ったらあんたらかい!てか思いっきり蹴散らされてたけど大丈夫なんかい!邪魔ばっかりしてる娘がいつの間にか着替えてたりとか、最後の最後で娘のアイデアが活きて、その元ネタが分かる所とかね。本当に美しい映画でした。劇場であんなに観客の笑い声が響き渡る映画は初めてでしたよ。もう俺も途中から遠慮なしに声出して笑ったり、うわーとか呟いたりしてしまった。いかな夏休みとはいえ平日の昼、どのスクリーンもスカスカですが、この映画だけギューギュー。しかも若い人ばかりかと思ったら老若男女入り混じり、劇場であんなに年の行ったおとっつぁんを大量に見たのも初めてです。自分は一人で来てる若いお姉ちゃんに囲まれて幸せでしたけどね。いやぁこれはもう一度観たくなる。そしてもう一度、彼らがどこでどれだけ苦心し、苦難を乗り越えていたか確認したい。出る時に後ろを歩いてた女性客が「映画撮るのって大変なんだね」と言ってましたが、確かに色んな意味でそこが一番の感動ポイントだと思います。なんだかステマ業者かよってくらい絶賛してしまいましたが、そんな気分にさせてくれる良い映画でした。
にしきのさん [映画館(邦画)] 9点(2018-08-14 23:39:43)(良:3票)
その他情報
作品のレビュー数 156件
作品の平均点 7.36点
作品の点数分布
000.00%
131.92%
231.92%
321.28%
421.28%
585.13%
62214.10%
73321.15%
84226.92%
92415.38%
101710.90%
作品の標準偏差 1.89
このレビューの偏差値 54.59
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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