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映画においては興ざめさせられることの多いデジタルエフェクトの類も、決してマイナスに感じずにいられたのは、純粋によい映画だったから。このキャストでここまで血生臭くしてしまってよいのか思わず心配しましたが、それがあってこそですね、この映画の魅力は。残虐シーンにもユーモアがまぶしてあります。しかしデンゼルはあくまで真顔。監督はずいぶんと楽しんでたのでは?いや、むしろサラリと撮っちゃうのかな、知的に。程よく抑制・統制されている印象と、予定調和を崩すイタズラっぽい印象との両方があり、こういう映画こそ、やっぱり映画って良いもんだなぁとささやかな幸福感を与えてくれます。これがもしラスト辺りにダコタちゃんの悲しみを何カットもふんだんに盛り込んでいたら、感動の押し売り広告みたいになっちゃうんでしょう。それはそれで楽しめるかもしれませんが。しかし良い映画ってきっと、ダコタちゃんの1カットとペンダントと静かに落ちる手、これで十分なんです。そしてもちろんあの橋、ね。
【ワイルド・サイドでキャサリン】さん [DVD(字幕)] 9点(2013-05-18 05:26:35)
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