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《ネタバレ》 前半は、執拗に生々しく、気持ちの良くない暴力シーンがひたすら流される。
ヤンキーの登場人物達も下手にイケメンばかりだったりせず、リアルな顔つきしているのが良い。イカレタ兄弟の眼つきはホンマモンのキ●ガイのそれだった。 有名キャストで固めていない事で、より生々しさが強調される。 ジャルジャルの二人も、特に違和感なく、この映画の住人として溶け込んでいた。 さて、しつこい暴力シーンがこのまま最後まで繰り返されると思いきや、後半は割と静かになり、人間ドラマになる。圧倒的な暴力の象徴だった男の人間的部分が見せられることになる。さっきまで、「ひどい!こんなヤツ死んだ方がマシだ!」って思っていた対象が見せる人間らしさにこちらは戸惑う。悪人が、愛情の対象により、人間味をみせるという展開は南アフリカの映画「ツォツィ」を思い起こされたが、「ヒーローショー」での暴力にはバックボーンがない。別に貧困でも何でもない。 若者なんて悶々として、ただの日常や自分の未来に絶望したりして、無理矢理夢とか探そうとしちゃったりして、また絶望したりする。そんな当たり前の絶望が安易に暴力に向いてしまう人間は、彼女や子供に優しいからといって許されない。 そんな人間の末路は結局悲劇。暴力の結果はこんなにも醜悪なんだよっていう事を突き付けてくるような作品と言えるかもしれない。 監督の味が濃厚に出ている良い作品だったと思う。 【すべから】さん [映画館(邦画)] 8点(2010-06-07 11:42:06)(良:2票)
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