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《ネタバレ》 討ち入りの場面で血が一滴も流れない演出。当時の良識と思いたい。それとオールスター総出演という「お祭り」で、リアリティを重視した無粋な演出は避けたかったに違いない。軽やかで流麗すぎる殺陣も、そういう演出と思って観れば楽しめる。総じて家族で安心して見れる娯楽作品に仕上がっている。
最も心に残ったのは前半の吉良のいじめの場面だ。屏風への難癖、違う服装、畳替え、礼式を教えないと畳み掛け、エスカレートしてゆく。テンポが好いのだ。吉良の憎らしさが十分にでており、さりとて生理的な嫌悪感を抱くほどではない。ほどよい匙加減に仕上がっている。浅野役の周章狼狽の演技は申し分ない。残念ながら中盤は中だるみする。大石の京都での、敵を欺くための遊興が中心となるので仕方がない面がある。心理戦になるわけだ。大石を中心に描かれ、群像劇としては物足りない面がある。大橋と美空の俄か夫婦の話は中途半端だ。無理に物語を造りましたという心象が残る。吉良殺害の場面に女性を出すのはそぐわない。 【よしのぶ】さん [DVD(邦画)] 8点(2013-04-11 16:12:00)
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