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メトロポリス(1926) のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 メトロポリス(1926)
製作国
上映時間122分
ジャンルドラマ,SF,サイレント,モノクロ映画
レビュー情報
《ネタバレ》 短縮版なので不明な点が多い。天才博士は実験の失敗が原因か、片腕が義手。人間のような姿で、人間のように働くロボットの制作をめざしているようだ。自らの保守のためには殺人も厭わない性格。一種のマッド・サイエンティストだ。資金は支配者から出ているのだろうか。支配者が博士に労働者弾圧の口実をつくるためマリアに似せたアンドロイドを使って労働者を扇動するように依頼する。資料によれば支配者と博士は元恋敵だそうだ。博士は依頼を受けながら、支配者への恋の恨みからか、アンドロイドに労働者を扇動して機械を破壊するように命じる。単純な労働者達は機械を壊し、自らの地下都市を水没させる。子供達が死んだことを知って怒りに駆り立てられた労働者達はマリアを火刑にする。火刑に処せられたマリアはその正体を現す。死んだと思った子供達は支配者の息子とマリアに助けられていた。息子を仲介として支配者と労働者代表が握手をする。◆脚本は単純で見るべきところはない。冷静に考えてみれば、支配者は労働者達に危険思想を吹き込むマリアを拘束すればよかっただけの話。それなのに解決を博士に委ね、博士が暴走した結果、雨降って地固まるという帰結に至った次第。もしこの映画に斬新なデザインのアンドロイドが登場しなければ、忘れられた存在になっていた可能性がある。あの美しいアンドロイドの造詣があればこそ、都市デザインや機械デザインも生きてくるというもの。ところで労働者達の仕事内容がよくわからないですね。ランプの灯ったところに大きな針を動かすことに何の意味があるのか?他の人も機械の前に立ってうろうろしているだけの軽作業。自動管理、自動運転という観念がなかったのでしょう。アンドロイド以外は先見の明が無く、SFとしては失格です。ともかくも労働者達は疲れ切っている。共産主義的考えでいえば、支配者に搾取されているわけです。マリアは預言者。仲介者は息子。ところで息子の仲介の動機は、労働者達に同情したというより、マリアに恋したことが大きかったように見受けられます。階級闘争も恋の力で解決というマルクスもびっくりのオチ。白眉のアンドロイドが数分しか登場しないのが惜しい。大衆から逃げ回り捕まる姿は惨め。◆あと見所はアンドロイドが踊って人間達を魅了する場面、大勢のエクストラを用いた場面でしょうか。洪水の場面は迫力がなく、不出来です。
よしのぶさん [地上波(字幕)] 7点(2011-10-28 12:18:11)
その他情報
作品のレビュー数 55件
作品の平均点 7.49点
作品の点数分布
000.00%
100.00%
211.82%
323.64%
435.45%
511.82%
659.09%
71120.00%
81425.45%
91221.82%
10610.91%
作品の標準偏差 1.89
このレビューの偏差値 48.62
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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