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ハート・ロッカー のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ハート・ロッカー
製作国
上映時間131分
劇場公開日 2010-03-06
ジャンルアクション,ドラマ,サスペンス,戦争もの
レビュー情報
《ネタバレ》 ひと癖もふた癖もある映画だ。突き放して、結論を観客に想像させるタイプの映画で、好みが分かれそう。その手法は、さほど成功しているとは思えない。理由はいろいろあるが、主人公の感情が読めないことが大きいと思う。冒頭場面、3人の爆弾処理兵があまりにビビっているので笑ってしまった。爆弾処理兵たるもの常に冷静であるべきで、実際にそうだと思う。周囲に民間人がうじゃうじゃいるのに、警告もせず、避難・警戒線も張らず、X線透視カメラも無し。予想通り爆破したが、あんなに遠くで爆発したのにまさかの死亡はあ然。肉屋の携帯との関わりは不明のまま。次に芋蔓式の爆弾がでてきたけど、何のためのものなのか?米軍車が偶然にあの上を通るのを願うのか?万事この調子。どれも説明不足な上に、各挿話の結論が放りっぱなしだ。転機となったベッカム少年の挿話を例にとっても、何故少年をそんなに気にするのか。ベッカムそっくりさんの正体は?ベッカムのいた露天商の主に何故通訳をつけて質問しないの?人間爆弾のことを上に報告して、チームで調査すればいいのに、何故単独でベッカム家に乗り込んでいくの?何故おばさんにやられっぱなしだったの?ベッカムに再会出来て何故あんなによそよそしいの?など、すっきりしないこと甚だしい。「任務あけまであと何日」としつこく字幕を出しながら、その日を描かない。わざと難解にしているようにも思えるくらい。だから、いつまで経っても映画の方向性が見えてこない。戦争の狂気を描きたいのか、悲惨さを描きたいのか、主人公の英雄ぶりを描きたいのか、成長を描きたいのか、戦場での兵士心理を描きたいのか、友情を描きたいのか、イラクでの現状を知ってもらいたいのか。緊張感だけは伝わってくるが、手ブレカメラの多用は目に余る。主題が「戦争は麻薬だ」ということは序文にある通り。となれば、最後の場面の説明としては、「帰国して日常生活に戻ったものの、妻との会話は通じず、かえって孤独は増し、無力感に苛まれていったが、やがて召集通知が届き、主人公な嬉々として戦場に戻っていった」ということになる。この人、特に成長してないと思う。戦場でしか生きられなくなった自分を再確認したということ。それを戦争の悲劇の一面として描いた作品。戦争は兵士の精神を蝕む。
よしのぶさん [DVD(字幕)] 7点(2012-12-20 05:52:48)
その他情報
作品のレビュー数 150件
作品の平均点 6.23点
作品の点数分布
021.33%
121.33%
210.67%
364.00%
4117.33%
52315.33%
63221.33%
73120.67%
83523.33%
953.33%
1021.33%
作品の標準偏差 1.82
このレビューの偏差値 52.31
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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