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《ネタバレ》 大変面白かった。
視覚効果の出来はさすがに09年の映画と言うべきか。目で感じる緊迫感を非常に巧く表現している。ちょっと10年前くらいだと各映画会社が渾身で放つ超大作がこういうリアルさだったと思うが、21世紀の映画は凄い。21世紀という言葉がしっくりくる。(パラマウントだが) 旧シリーズはいくつか見ているが、実はスタートレックはあまり好みではなかった。潜水艦や軍艦の中央司令室的な設定は非常に好きだが、メカのデザインがどうにも好きになれず何となくのめり込めないで居た。もちろんスポックの耳にも違和感を禁じ得なかった。 しかし、子供の頃にみたスタートレックと本作。ぱっと見メカの基本的なフォルムはあまり変わらないし、スポックに至ってはよりいっそうバルカン人らしさが際立つメイクである。にもかかわらず魅力的に映った。どうやら好みがここ十年くらいで変わっているらしいことに気づいた。子供の頃大好きだった米陸軍的なスクウェアな兵器デザインよりも、そこに非現実的なオーガニックなイメージを含んだ架空兵器の方に嗜好が移っている。エンタープライズ号はど真ん中だ。微妙に人間ぽくないバルカン人も全然オーケー。 この映画で一番のハードルであった、メカニック的に取っつきにくい部分が全く解消されたため勇んで観てみると、面白い。スタートレック的な指揮や危機管理の妙といった部分はやや控えめだが、それが逆にわかりやすいスピード感を生んでいる。スタートレック初心者には心地よい味だった。 主要人物は初期シリーズと同一だが、その初期シリーズを覚えていないため全く印象を持たない状態で観ることになる。しかしそういった層をメインターゲットにしているらしくあまりスタートレック然としない、キャラ立ちしすぎない造形でまとめられ各キャラの意志の強さをメインに表現されている点が実に巧かった。旧来のファンにはもしかしたら異様に映るのかもしれないが、良くできた話だったと思う。 【黒猫クック】さん [DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2010-05-08 22:29:25)
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