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《ネタバレ》 なかなか面白い。
現在、プレデターという名称がこのプレデターで固有名詞化していて、何がおそってくるのか、という点で非常に損をしている。子供の頃10ちゃんかどっかで夜放映されていたこれを見たとき、非常にラッキーだったのはテレビをつけたらすでに10分くらい経過していてその日やっていた映画がなんなのかよくわかっていないまま見続けることができたことか。 そのおかげで、この映画の最大の特徴である「誰と戦っているのかよくわからない」ことと「それなのに戦わなければ問答無用で殺される」という不条理的でミステリー的な要素を存分に味わうことができた。 この映画の面白いところは、それまでのコマンドもののアクションには無かったそういう要素を上手に取り入れたことにあると思うけど、それだけに後年の作品と比べると粗が目立つというのは仕方ないだろう。当時のパワーバランスの表現が銃器の火力表現に重点が置かれていたためか、戦術的な説得力を持たせる描写を排除している。 そこがこの時代の味わいといえばそうだが、そのせいで終盤に入るあたりからの各キャラクターの戦闘シーンがホラー映画の雑魚キャラ惨殺シーンのように、ルーチンになってしまっている。スプラッター映画の標準的なプロットを使っているためか、そこで味わいが損なわれてしまっているのが惜しい。このシークエンスでホラー映画的な圧迫感が出てしまっていて、そのストレスの量を作っている側が気にしてしまっている感が残念。 とはいえ、この時代には正体不明の敵との不条理な戦闘を提案すること自体が意外だっただろうから、それ以上に突っ込んだパワーバランスバランス描写は存在しなかっただろう。そういうわけで仲間とハイテク肉食獣との戦闘で彼らがそれぞれどのような逡巡を見せ、どのような傷を負い、それがどう筋を作るかというところは後の技術に譲ることになるのは仕方ない。 しかし、それを逆手にとって、ハイテク肉食獣に近代兵器をあきらめ頭脳戦での原始的な決闘に持ってくのは巧い。筋肉男の筋力も、最新の火器も通用しないとき、太古のブービートラップで猛獣を捕獲するっていう記号性が何とも良い。 20年以上前のアクション映画の筋書きだが、あんまり時代関係なく楽しめるのは、作り込みがしっかりしているからだろう。 【黒猫クック】さん [地上波(吹替)] 8点(2009-12-20 21:07:12)
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