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《ネタバレ》 とにかく大好き。ふと何となく見直すと、やはりとんでもなく面白い。キャラクターも良いし、ストーリーも良いし。人の命を命と思わない人間を相手に、逃げる逃げる。この逃げの美学が映画をとんでもなく面白くしてますね。真っ正面から立ち向かわない、逃げる、でも気持ちは逃げない。こういう良さがちゃんと伝わってくるということがいい。
逃げて逃げて最後に回り込む様に勝つ。そしてラストシーンの、主題歌が流れるまでのあのイントロが流れ始めるあの時間。最後の最後に地上から最後のおとぎ話が消えてしまったんだっていう雰囲気も秀逸です。過去作品を見事に昇華させたおもしろさを極限まで引き出している感じが最高の気晴らしをいつ観ても与えてくれます。 ナウシカの思想っぽさというか、ともすればアメリカの新興宗教のようにすら感じられる部分をすっぱり無くしたところも良い。人間一個人として、どういう風にぶれないか、真ん中にいられるかというエキスが心地よい。生活臭のする主人公設定があるからこそ、完全な作り話の中でも嘘くささが見えなくなる。 グライダーでこのお話から離れていく二人のその後にも想像が広がります。きっとこの二人はぶれずにずっと一緒にいられるんでしょう。現実世界のお父さんお母さんになって一生懸命普通の今を生きていくと思います。この話の中の二人にはなれないけれど、だれでもこの後の二人にはなれるかも知れない、多くの人はそれをかなえているかも。 そう思うと、なんか良い、と思いませんか? 【黒猫クック】さん [地上波(邦画)] 9点(2008-09-15 17:38:06)
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