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《ネタバレ》 大昔、小学生の時見た最初のゾンビ映画。日本には商用インターネットも無く洗練された恐怖映画もそれほど無かったと思われる時代に、密封されたすでに壊れた世界を見せられた恐怖というのは相当なものだった。
ゆっくりとおそってくるゾンビでさえ、普通の民間人には脅威である。それを武装した警官が場合によっては餌食になるというオープニングで脳みそにインプットされると、一方的な情報としてゾンビ=ヤバいという認識で固まる。あんなゆっくり襲ってくるのになんで対抗できないの?という疑問は徐々に無くなる。うっかりや不意、憐憫などの誰にでもある数秒の隙に彼らは噛んでいるのだ。鍛えられた警官が、引き籠もりがちの男に刺殺された事件があった様に不意は不可避である。 ゾンビを初めて観る人間には、それがゾンビである可能性を認識していない。それは観客も劇中の人間も同じであり、そうした人間しかいない世界では瞬く間にゾンビは広がっていってしまうのだろう、と、小学生の頭の中にはすぐに刻まれたわけだ。もちろん特殊部隊や軍隊が即座に機能すれば事態は収束したかもしれない、けどそれに失敗した世界がこれだ。そのルート進行に痺れた。 物語が始まった時点でもう修正がきかないほど世界が壊れていたりと、1999年を意識させる破滅的な世界にも痺れまくった。この世界観構築は偶然の産物かもしれないが、後の作品がこれを様々なお話でブラッシュアップさせ逸品を作り上げることになるのだからその影響力と遺したものは大変な価値があると思う。 それに、初見の恐怖感を補いながら観ることで、いつ見てもこの映画は怖い。よくできている。 【黒猫クック】さん [地上波(吹替)] 8点(2010-04-30 15:05:45)
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