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空気人形 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 空気人形
製作国
上映時間116分
劇場公開日 2009-09-26
ジャンルドラマ,ファンタジー,ロマンス,漫画の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 心を持った空気人形は、その空洞を満たしたかった。愛で満たされることが最もシンプルで最も満足を得られる方法だろう。でも、本来男性の自慰のために製作される空気人形はあくまで道具であり、行為を通して愛情が注がれることはない。また、自慰行為が纏う後ろめたさは、人形の自我を否定する。持ち主の板尾が「元の人形に戻って欲しい」と言ったのは、残酷だけどよく分かる。もっと残酷だったのは、レンタル店のお兄さん。彼は空気を抜いては吹き込む、を繰り返した。男性観賞者は同意すると思うが、しおれて蘇るぺ・ドゥナの肉体に性的興奮を覚えるのである。恋心を抱いた相手からも道具として扱われる…。そんな扱いを受けても、彼女はその本能からか、献身的な姿勢を失わなかった。自慰行為の後ろめたさを全身に引き受け、アイデンティティを無視され、それでも健気に献身する彼女は性の女神だ。人の業を引き受けて十字架に磔にされた有名人にイメージが被るが、こちらは数名の下半身欲求に救いを与えただけ。人は心を満たすことを希求する。でも、満たされている人は滅多にいない。空気人形の視線を通して、心の飢餓感と、満たされることの難しさを見せられる映画でした。ペ・ドゥナの物怖じしない演技が、重たいテーマを優しく湿り気なく見せてくれます。
アンドレ・タカシさん [映画館(邦画)] 5点(2009-10-09 02:31:23)(良:1票)
その他情報
作品のレビュー数 79件
作品の平均点 6.53点
作品の点数分布
000.00%
122.53%
222.53%
311.27%
478.86%
51012.66%
61518.99%
71417.72%
81316.46%
91316.46%
1022.53%
作品の標準偏差 2.02
このレビューの偏差値 46.24
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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