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最近、人に勧めた本で相手にいちばん喜んでもらったのはこの「阪急電車」です。軽く読めるんだけど、小さな感動がたくさん詰まった作品です。でも映画化を知った時に6点くらいの出来ばえを想像し、間違っていなかった。それは、動的な面白さがある作品では無いからです。活字で心情描写を完結させている原作に比較すると、映画はどうしても半端な印象がつきまとう。それぞれの人物の「納得」で終わるエピソードが多いから。自分は十分に楽しめましたが、脳裏にある原作でキャラの心情を補完しながら観ていたと思います。でも映画用のアレンジを排した製作姿勢には好感を持ちました。余談ですが、高校まで大阪で暮らした自分は阪急電車には随分とお世話になりました。今津線ではなく千里線と京都線がメインでしたが、遠望する六甲~能勢あたりの山並みが懐かしく、チョコレート色の車輌には当時の思い出がいくつもフラッシュバックしました。その大阪ローカルの電鉄名をストレートにタイトルにする茶目っ気が有川浩らしさだと思います。原題にはない「奇跡」は余計でした。ちなみにアリカワヒロと読む女流作家です。この方の作品はこの1年で最もたくさんのページを繰りました。とんでもない設定の作品もありますが、元気をもらえる作品が多くてどれもお気に入りです。
【アンドレ・タカシ】さん [映画館(邦画)] 6点(2011-05-28 12:23:53)
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