Menu
 > 作品
 > ヒ行
 > ヒューゴの不思議な発明
 > アンドレ・タカシさんのレビュー
ヒューゴの不思議な発明 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ヒューゴの不思議な発明
製作国米,英,仏
上映時間126分
劇場公開日 2012-03-01
ジャンルドラマ,アドベンチャー,ファンタジー,ファミリー,小説の映画化,3D映画
レビュー情報
《ネタバレ》 少年の冒険ファンタジー的な邦題が付いている。でも、子供が観て面白い映画だとは思えない。テーマは少年の冒険ではなく、世間から忘れ去られた映画監督の人生なのだから。なのでこの邦題には疑問符を付けたい。冒頭は散漫に感じられたストーリーだけど、月にロケットが衝突する絵が現れて、まるで謎解きのように物語が焦点を結ぶ。商業映画の創成期、「特撮」的な手法で観客を喜ばせた人、ジョルジュ・メリエス。彼の代表作である「月世界旅行」の有名なカットだ。この映画のクライマックスはベン・キングスレーが演じるメリエスが自らの半生を振り返るシーンだと思う。手品師だった彼は映画に魅了され映画監督へ転身する。ふたつの仕事に共通するのは観客を驚かせて楽しませることだ。さしずめ、20世紀初頭のスピルバーグ。でも戦争(一次大戦)が状況を変えた。私の印象に残ったのは「人々は現実を見すぎて、映画を見なくなった」というメリエスの台詞(3D吹替え版)でした。つい1年前、大震災を目の当たりにしたこの国でも、映画館から足が遠のいた。映像の中で夢の世界を追求したメリエスの作品は、時代の重さに呑み込まれ忘れられて行った。メリエスは長い映画の歴史において、時代と闘って敗れた最初の映画人だったのだろう。本作は回顧的な意味合いだけで創成期の映画と映画人たちに横顔を与えたのではないと思います。現代の商業映画に関わる誰もが直面する宿命に、1世紀以上も昔にぶち当たった人物に対するスコセッシの親近感と敬意を感じました。
アンドレ・タカシさん [映画館(吹替)] 5点(2012-03-09 16:21:51)(良:1票)
その他情報
作品のレビュー数 76件
作品の平均点 6.07点
作品の点数分布
000.00%
100.00%
222.63%
345.26%
4911.84%
51418.42%
61519.74%
71621.05%
879.21%
9911.84%
1000.00%
作品の標準偏差 1.79
このレビューの偏差値 46.66
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
ヒューゴの不思議な発明のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS