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一番美しく のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 一番美しく
製作国
上映時間85分
劇場公開日 1944-04-13
ジャンルドラマ,戦争もの,モノクロ映画,青春もの
レビュー情報
《ネタバレ》 これは「情報局選定国民映画」らしい。そんな局が無くなって久しい2010年になってから観賞した訳だけど、私にはとことん胸糞悪い映画でした。兵器部品の工場で働く少女たちを世相を交えながらリアルに切り取ってあるのだろうが、国威の発揚という目的を持っていることは明らかで、それが「美しいもの」という表現の仕方にやるせない憤りを覚える。国家や戦地の兵士を気遣う少女たちの健気な想いには確かに見過ごせないものがある。だけど、事あるごとに「頑張れ」を繰り返す構成は、根本的に戦局を精神論で補おうとした考え方と同じで、それが後の「特攻」「自決」「一億総火の玉」などに繋がって行ったと思えるのである。正確にカメラを回した時期は分からないが、製作年度の1944年は南太平洋の戦況から日本の劣勢は決定的に近い状況。大本営はこの映画を自分たちの方針のプロパガンダに使ったことは明らかで、観た人は当局の狙い通りの感想を持ったと想像する。黒澤の演出によって抽出された少女たちの純真さが見事に利用された、というのは言い過ぎか…。いずれにせよ、この映画には肯定できる部分が無い。
アンドレ・タカシさん [CS・衛星(邦画)] 0点(2010-08-15 23:01:36)
その他情報
作品のレビュー数 26件
作品の平均点 5.19点
作品の点数分布
013.85%
100.00%
227.69%
300.00%
4519.23%
5726.92%
6623.08%
727.69%
813.85%
927.69%
1000.00%
作品の標準偏差 1.98
このレビューの偏差値 36.77
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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