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生きものの記録 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 生きものの記録
製作国
上映時間105分
ジャンルドラマ,モノクロ映画
レビュー情報
《ネタバレ》 本作の前年の第五福竜丸の被爆以降、国内では反核キャンペーンが盛り上がったらしい。映画で最も協力した作品は「ゴジラ」だけど、本作もその気運に連なる作品なのでしょう。原水爆の恐怖に怯える男を、三船が老け役で演じる。その老け演技がなかなか見事です。一族の無事を願ってブラジルへ移住しようとする男と家族の対立がメインストーリー。第五福竜丸の被爆も米国科学者の計算値を越える範囲に死の灰が降ったことが原因だったので、この男の主張をバカバカしいと軽く一蹴できない世相が当時にはあったはず。そんな漠然とした不安を衝くシナリオは、鑑賞者には刺さっただろうと想像する。この男はブラジルへの移住を計画する前には青森あたりに核シェルターも建造していて、テーマや設定を見廻すと、これは黒澤作品唯一のSF映画と言えるのではないかと思います。黒澤らしい力強い映像と割り切れない終わり方の組み合わせは新鮮でもある。前年に「ゴジラ」で水爆への恐怖を語った志村喬が同じような役目を担っていました。ちなみに、なぜブラジルへ行けば死の灰の恐怖から解放されるのかは説明されていません。
アンドレ・タカシさん [CS・衛星(邦画)] 5点(2011-01-02 21:49:43)
その他情報
作品のレビュー数 36件
作品の平均点 6.64点
作品の点数分布
012.78%
100.00%
200.00%
312.78%
400.00%
5925.00%
638.33%
7925.00%
8822.22%
9411.11%
1012.78%
作品の標準偏差 1.92
このレビューの偏差値 45.54
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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