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《ネタバレ》 この映画は二人の人間の成長を描いていますね。一人は当然ながら花売り娘のイライザ。訛りが酷く、上流階級にでても恥ずかしくない言葉を話すべく努力する姿は魅力的でかつ面白いです。彼女がスパルタ教育にイラついて「ア"ア"ー!!」って叫ぶだけで面白いからズルいですね。
んで彼女は結局ヒギンズ教授に賭けを勝たすだけの上達を見せるのですが、そこでチャンチャン♪と終わらないところが良かったです。キチンと上流階級の主役は男であり、女はそこで品評会に出されて娶られるのが唯一の役目ということを確りと描写し、そんな世界を疎ましく思うイライザも描く。こういう世界は今もあるでしょうし、当時のイギリスなら尚更でしょう。 もう一つはヒギンズ教授の成長。イライザの話が終わったと思ったら、ヒギンズ教授にもスポットライトが当たるので良い意味で驚きました。彼が序盤から利己的で独善的な男と描写されていた伏線が良く効いています。女心が分からない、いい年したオッサンがイライザを求めて右往左往する姿は笑えます。 そして今日ではスタンダード・ナンバーとして知られている「I Could Have danced All Night」を元気に唄う(吹き替えですが)このシーンがあるだけでミュージカルとしてはOK。オードリー・ヘプバーンの持つ少年性が活かされた名場面でした。 しかしちょっとばかし上映時間が長いことが気になりもしました。特にイライザの父親とピカリング大佐はストーリー上で絶対に必要な役柄ではないと思えるので、父親のダンスシーンや大佐が知古の友人に電話をするシーンなどは映画化に際し切っても差し支えなかったのではと思います。 とは言っても、老若男女問わず楽しめ、且つ味わい深いストーリーを内包した、ハリウッド映画の良さを存分に感じられる作品と思えました。 【民朗】さん [DVD(字幕)] 8点(2014-09-19 23:24:53)
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