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ゼア・ウィル・ビー・ブラッド のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ゼア・ウィル・ビー・ブラッド
製作国
上映時間158分
劇場公開日 2008-04-26
ジャンルドラマ,犯罪もの,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 デイ・ルイスのダニエル・プレインヴューは、ゼロ年代に製作された映画の中では最高の演技、これで当代一の名優の座を揺るぎないものにしました。並みの名優ではこのキャラは単なる粗野な成り上がり者としてしか表現できない、とてもじゃないけどデイ・ルイスの様な怪物にはなり様がないのでは。ジャック・ニコルソンでも難しいでしょう。 そしてポール・トーマス・アンダーソン(P.T.A)、今までロバート・アルトマン的な作品を撮ってきて本作でも献辞まで捧げていますが、この映画はどうも今までのとは作風が違う気がしました。プレインヴューが石油を掘り当てるまでのほとんどセリフ無しの冒頭15分、不協和音を強調した音楽、シメントリーな室内、双子と無表情な子供、なんかとてもキューブリック的な演出なんです。そう、実はこの映画は『2001年宇宙の旅』を再構築した構成なんですよ。極めつけはラスト、プレインヴューが足を引きずりながらイーライを追い詰めボウリングのピンで仕留めるシーンは、まるで『2001年宇宙の旅』の道具を使うことを覚えた猿人が仲間を倒して君臨し始めるシーンとそっくりです。さしずめ初めて石油を掘り当てたときにプレインヴューが手のひらをくっつける掘削リグは、“モノリス”を暗示しているかもしれません。 考えてみると、P.T.Aはキューブリックの後継者になるのかもしれませんね。今後の作品が楽しみです。
S&Sさん [CS・衛星(字幕)] 9点(2011-10-21 22:41:55)
その他情報
作品のレビュー数 75件
作品の平均点 6.40点
作品の点数分布
011.33%
100.00%
200.00%
322.67%
468.00%
51418.67%
61317.33%
72026.67%
81114.67%
968.00%
1022.67%
作品の標準偏差 1.75
このレビューの偏差値 58.48
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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