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《ネタバレ》 まずこの時期のダグラス・サーク作品にしてはモノクロなのがなぜか不思議。題材からモノクロがふさわしいというわけではもちろんなく、単純にバジェットの問題なのだろうか。サーク映画の美しいカラー映像をこよなく愛する者としてはとても残念です。フォークナーという作家は『意識の流れ』を重視したジョイスみたいなタイプだと思っていましたが、こんなメロドラマの題材になる様な小説を書いていたとは知りませんでした。二人の男とひとりの女が生活を共にしていて、女が生んだ子供の父親がどちらなのか本当は良く判らないって、けっこう凄いシチュエーションじゃないでしょうか。おまけにどっちの男が結婚するかをサイコロを振って決めるんですから、いやはや何と言って良いのやら。こんなお話しをメロドラマにしちゃうんですから、そこはサークの真骨頂と言えるでしょう。撮影所の方針でメロドラマを撮りまくりましたが、舞台演出家からキャリアを始めたサークは文学にも造詣が深い教養人で、本当はメロドラマを撮るのは不本意だったそうです。本作もプロデューサーが介入しなければもっと違った文芸ドラマになってたかもしれません。まあ私とすれば、ゴージャスなドロシー・マローンを堪能できたのでそこそこ満足できましたが。スカートの中を丸見えにしてパラシュート降下を見せてくれるシーンには、思わず眼が釘付けでした(まさにプロデューサーの思うつぼにはまったわけです)。
【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2011-06-04 01:38:18)
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