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《ネタバレ》 『サスぺリア』の大ヒットにびっくりした東宝東和が、お蔵入りになっていた同じアルジェントの旧作を引っ張り出してきて無理矢理『PART2』に仕立てたという経緯はもうあまりにも有名。『サスぺリア』のようなオカルト要素は少なくて、伝統的なイタリアン・ジャーロをサイケデリック風味で再構築しましたって感じで、初めは未公開だったと言うのもまあしょうがなかったのかも。完全版は公開時にカットされたデヴィッド・ヘミングスと当時のアルジェントのかみさん(というか、アージアのお母ちゃん)ダリア・ニコルディとのラブコメ的なシークエンスを復活させてるみたいですけど、これはカットしたのは正解だったと思います(笑)。いちおうアルジェントはヒッチコックをイメージしたスリラーのつもりで撮ったみたいですけど、登場キャラが順番に消去されてゆくのだから、犯人は残ったあの人ってぼんやり観る主義の自分でもすぐ判るところはご愛敬。でも有名な機械仕掛けの人形がゴブリンのスコアに乗って迫ってくるシーンは、さすがにアルジェントの才気が迸っていましたね。その他にも随所に非凡なカットが散りばめられていて、まず映像ありきのビジュアル系映画と捉えた方がいいんじゃないでしょうか。あと犠牲者や犯人の死にざまのえぐいところは、『サスぺリア』なんて子供騙しと思えるほどです。この映画を観て勇気づけられて自作で真似した映画監督はうじゃうじゃいますしね。
【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2016-07-21 22:35:47)
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