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《ネタバレ》 傑作『第9地区』の監督にしては、なんかしまらないお話しでしたね。ゴチャゴチャしたスラムが舞台というとすっかりこの監督のトレードマークみたいな感じですけど、『第9地区』ではそのスラムに住むのがエイリアンだというとびっきり秀逸なプロットだっただけに、「下層階級が押し込められてます」と言われたって同じ様なプロットの映画は腐るほどあるので全然新鮮味がありません。メキシコシティでロケしたそうですけど、曲りなりにもOECD加盟国の首都が既にこんな状態になっているという現実の方がはるかに恐ろしいです。荒廃した未来のLAというのが発展途上国で楽園エリジウムが先進国、という判り易いメタファーなんですけどなんか薄っぺらい思想を聞かされている様で白けます。アメリカやEU諸国のどこが楽園なんだよ、とマジで突っ込んでおきます。 マット・デイモンも訳のわからないスーツを装着してるけど致死量の放射線を浴びて余命5日の身体とは到底思えない元気っぷりです。どうもあのスーツはイマイチ意味が判らない代物でしたね。でも最大の失敗は、すっかり皺くちゃおばさんになったジョディ・フォスターの中途半端な悪役ぶりに尽きるでしょう。せっかく大物女優を引っ張って来たんだから、実は彼女はエイリアンでした、ぐらいの弾けっぷりを見せて欲しかったです。そこら辺がこの監督は真面目すぎるんですよね。 とはいえ、格差社会において最大の問題は医療である、という指摘は実に正しいと納得せざるを得ません。
【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2015-12-07 21:53:42)
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