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《ネタバレ》 「ナチスから名画を奪還せよ!」とくればどうしても自分には『大列車作戦』ということになるんですが、実話の映画化だそうで、なるほどこういうことも米軍はやっていたんだな、と納得しました。監督はジョージ・クルーニーですけど、『グッドナイト&グッドラック』なんかもそうでしたけど非常に淡々とした撮り方で、これはもう映画作家としての彼の持ち味でしょうね。でも心なしか監督としての力量はついてきているみたいです。ちなみにラストに登場する30年後のクルーニーを演じているのは彼の父親ニック・クルーニーです。これはちょっとしたシャレですよね。 現代美術を全く理解できないヒトラーやゲーリングの命でピカソの作品なんかが火炎放射器で燃やされるシーンはショッキングで心が痛みます。またソ連もスターリンの指令で美術品を略奪していたとは初めて知りました。スターリンに美術趣味があったわけがなく、これはきっと倍賞金代わりのつもりだったんでしょう。 第二次大戦のお話ですけど、直接の戦闘シーンはほぼ皆無です。それなのに軍事考証はかなりのハイレベルなのでびっくりしました。クルーニーたち“モニュメンツ・メン”が鹵獲したキューベルワーゲンをずっと乗り回しているところは楽しいですし、背景を走っているだけの車輌や飛行場に置かれた航空機までも憎いぐらいの凝りようです。ジョージ・クルーニーにこんな拘りがあったとは意外でしたが、“神は細部に宿る”と言いますし、戦争映画ではここ大事なんですよ。
【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2016-08-24 20:45:57)
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