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《ネタバレ》 新米検事補ティモシー・ハットン以外の刑事と検事そしてアウトローの方々、みんなそろって悪人顔というところが凄い。やっぱ中でもニック・ノルティの悪徳刑事、もうプロレスラーがスーツ着て刑事やってるとしか思えない。粗野なだけでなく自分に不利益になる人間は情け容赦なく殺すし、もうほとんどサイコパスと言っていいレベルです。そんないかつい大男なのに、実はゲイだったという強烈なキャラでもある。そんな錯乱したシリアルキラーみたいになって追われているのに、警察署に戻って同僚刑事を射殺した挙句に初めて銃を撃った刑事に仕留められる最期は哀れでした。 悪徳警官とまっとうな警官が対立するというのは、NY派の巨匠シドニー・ルメットが『セルピコ』ですでに手がけているプロットなので「20年も経ってなんで今更…」感が強いです。「事件が大きすぎて手に負えない」と上層部は隠蔽・もみ消しを図るわけですが、単なる汚職警官と悪徳検事の癒着だった様な気もするしそこまで大げさな事件だったとは思えん。そこらへんが説明不足な脚本だったと思います。アイルランド系・プエルトリコ系・ユダヤ系とNYらしく人種葛藤を盛り込んでいるけど、それが物語に有機的に生かされていない気もします。あとティモシー・ハットンの行動も、直属ではないにしろ他の大物検事に情報を流しているのもこのキャラの線の細さが透けてしまってイラつかされる、セルピコじゃないけど完全に一匹狼のつもりで闘わなくっちゃダメでしょ!かつての恋人に未練がましすぎるのも感情移入を妨げた要因です。この映画である意味いちばん光っていたのは、やっぱアーマンド・アサンテだったと思います。なんかあっさりと退場してしまった感もありましたが、実は死んでなくてクライマックスで再登場なんてパターンもありますが、さすがにシドニー・ルメットがそんなアホな撮り方するわけないですよね(笑)。
【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2024-09-27 23:05:24)
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